出産(ライウ編)

(私がプエルトリコで体験した出産記です。)

 

プエルトリコに来てまず産婦人科探しました。
(もう予定日まで1ヶ月ぐらいしかなかったので。)

主人のいとこに紹介してもらったところに行ったら、
5ヶ月以降の患者さんは診ませんとのこと。
だから主人の叔母が別のところに連れて行ってくれたんだけどそこも同じ。


考えた挙句どうせ生まれてくるときは病院の救急に行かないといけないんだから、
そのときはそのときで大丈夫よと、
しばらく産婦人科のことは忘れてました。

ある日、主人のいとこが家に遊びに来て話しはじめました。
すると主人が私にすぐに荷物を持って本土に戻ろうって言い出したんです。

「どうして?」と聞いたら、
「この島のどこの病院も君を受け入れてくれるところはない、
どこの世界に救急患者を受け入れないところがあるんだ!
こんな島早く出よう!」って..。


でもそのときは私はすでに飛行機で旅行できない期間。

主人は従妹にこんな教養のない人種が住んでると思わなかったとか etc..と攻めだしました。
そしたら彼女がサンファンの中央病院なら診てくれるかもと。
その足で一緒に病院の場所を確認しに行きました。
結局その日は外から病院を眺めて、救急の場所も確認って感じで終わり。


そして6月に入って足の付け根が痛みだし心配になてきたので、
どこでもいいから産婦人科探して!と頼みました。


先日またあの従妹が友達を連れて遊びに来たのですが、
その友達が元看護婦で評判のいい病院の電話番号を教えてくれました。


その評判のいい病院に電話したら産婦人科の電話番号を2件教えてくれました。
1件目にかけたけど誰も出ないので、直接行ったほうが早いと思い出かけました。


受付で事情を話すと、
明日の10時に来てくださいと言われました。
やっと診てもらえる産婦人科が見つかってうれしくて、
次の日の9時前には産婦人科に到着。
でもすでにロビーにはたくさんの患者さんが待ってます。
まだドクターが来てないらしいんです。


待つこと1時間半以上。
やっとドクターが現れました。
「これからこの患者さんたちを待ってその後だよね?」
と話してたら1番に名前を呼ばれて診察室に。


診察の結果すでに子宮口が2cmあいてるので今日生みましょうって事になりました。
ってこのときは主人とドクターはスペイン語で話してたので私は分かってなく、
車に戻るときに聞かされたんです。


心の準備もないまま入院の手続きが進み、
あっという間に陣痛室に連れて行かれました。
ここは本土と違って旦那や家族は陣痛室に入れません。
でも私はスペイン語が分からないので一緒にいてくれなきゃいや!って泣き出したら、
看護婦さんが特別と言うことで時間を決めて主人を中に入れてくれました。

陣痛室にはもう一人女の人がうんうんうなってます。
でも私は陣痛もないしどこも痛くないのでゲームボーイで遊んでました。
そして主人が会いに来てくれて、出産の説明です。
私の血圧が異常に高いので普通分娩だと私の命が危ないから帝王切開することになったよと..。

そしてまたまた心の準備もないまま手術の同意書などにサインさせられて、ドクター到着まで待たされました。
その間ずっと私はゲームボーイで遊んでたんですが。(笑)

そして4時過ぎドクター到着。
車椅子で手術室に移動。
今度は主人も一緒にいれると思ったらここでも本土と違って立会いはできないと言われました。

スペイン語が分からない私とはじめての手術で不安になり泣いたけど、
今度は主人と引き離されて手術台に。
麻酔士が麻酔をするのに何回も打ち間違えて何度も背中に針を刺され、
半泣き状態でした。

そして頭が朦朧とし下半身も何も感じなくなり、
横に英語の話せるドクターが付いてくれて実況中継。
「お、大きな男の子だよ。あ、今ドクターにおしっこかけたよ」ってあっという間にライウが誕生。

きれいに洗われたライウを私の横に持ってきて、
さあお母さん赤ちゃんにキスしてといわれ、
キスをしたらそのままライウは新生児室に連れて行かれました。

私は後処理の後3人部屋の真ん中のベッドに連れて行かれました。
入り口は大家族の女の人。
奥はさっきまでうんうんうなってた女の人。
主人が外で待っててくれてて、
男の子だったね、よかったねって..。


赤ちゃんは?って私が尋ねたら、
「ここは本土と違って生まれてすぐベッドに一緒に寝させてくれないらしい。
1日に2回2時と7時に新生児室の窓越しに見れるだけだ。
ごめんね、こんな島につれてくるんじゃなかった。」って。

その日は私は下半身麻酔がまだ効いてたので動けなくライウを見にいけませんでした。


次の日の午前中までは体を動かさないでと言われてて、
看護婦4人がかりで私の体を洗いはじめました。
前の日の朝から何も口にしてなくのどがカラカラなので何か飲みたいと英語の分かる看護婦に言ったら、
「本当は今日の夕ご飯までは何も口にできないんだけど、
特別にお水を持ってくるわ。」と氷入りの水を持ってきてくれました。

とにかく歩いたら回復が早いと言う事で、
がんばって歩こうとしたけど、
傷口が痛くて痛くて歩けません。
でもライウが見れる時間はがんばって歩いて行って窓から観察。
でも5分もたってられませんでした。

ここでは普通分娩だと2日で退院。
帝王切開でも3日で退院。
でも私の血圧がなかなか下がらずドクターの許可がおりません。
そしてライウも普通のミルクは吐いちゃうので点滴を打たれてます。

主人が「豆乳を飲ませたらどう?」とドクターに言い、
豆乳を飲ませたら無事飲みだしました。
でも様子を見るために1週間入院しなきゃならないといわれました。

私も結局血圧がさがらず1週間入院。
この病院は夜の8時までしか付き添いができないので8時を過ぎたら私一人。

英語を話せる看護婦はほんの少数。
最初の頃は傷口が痛いのやら、
血圧の関係で頭痛がひどかったりして、
ナースコールのボタンを押したら、
スペイン語で返事か返ってきたので、
何を言ってるのかわからず無言でいたら、
英語を話せる看護婦が怒りながら「What’s Wrong?」と。
問題があるからボタンを押したんでしょう!と私も負けずに言い返しました。(笑)

そして1週間後。
ライウと一緒に退院できる!と思ったら、
退院の日ライウの血液検査の結果がまだ出てないから明日になりますと言われ、
しぶしぶライウを残して病院をあとに。

次の日にライウを迎えに行ったら、
今日で検査のための入院の1週間ちょうどだから明日のお昼に迎えに来てくださいといわれました。

仕方ないのでイウの洋服等のお買い物。
でも私は手術後から目がサングラスをかけてるみたいに何もかも暗く見えるのと、
長時間歩いたり立ったりしたら傷口が傷みます。
だから主人が会計を済ませてる間車の中で待機。

そして次の日の昼にやっとライウの退院の許可がおりて、
我が家に家族が1人増えました。

いろいろ問題あり納得がいかないことも多々だったけど、
まあ無事ライウも生まれ、
定期健診でもすごく健康と言われ、
私も今では血圧も正常に戻り、
目も治ったのでよかった。かな?