出産(雪編)

(私がプエルトリコで体験した出産記です。)



2度目の出産..。予定日より早まるだろうなぁ。
と思いながら大きなお腹を抱えて、まだかなまだかなと歩き回ってました。
(よく歩いたほうがお産が楽だと聞いたので)

でもなかなか陣痛らしきものは来ないし、
出産前にあるといわれてるおしるしらしきものもありません。

主人やお義母さんにお腹は痛くないか?
と毎日聞かれ続けてとうとう予定日一日前の朝、
今日はお腹がいつもより張るなぁ
と思いながらも歩くためにライウをお義母さんにみてもらって

主人と2人で近所のスーパーに買い物に行ったりしました。


前回ライウを出産するときに陣痛を体験してないので
陣痛ってどんなのか分かりません。
とりあえずいつもよりかはお腹が張るのですがテレビで観たことがある
あの叫ぶほど痛いってことはないんです。
主人はお腹が張るたびに「It’s Time?」って尋ねるんですが、
どういう風になったらその時なの?
って質問を返すぐらいでした。

でも夕方になるにつれてますますお腹の張りが頻繁に起こりだし、
そのうちに痛みも出てきました。

これが噂の陣痛なのねぇ♪こんなもんなのか。
平気平気♪って軽く見てたのが大間違い。
時間とともに洒落にならないぐらいの痛さに。

主人が7分間隔になったら病院に行こう♪
早く行ってもどうせ同じように待たされるだけなんだから。
って言うので、時計と睨めっこしながら
痛みが無い間にシャワーを浴びたりご飯を食べたりと過ごしてました。

でもどんどん痛みが強くなります。
だからまだ?って尋ねたら、
後3回ほど7分間隔が続いたら病院に駆け込もう!って言います。
7分間隔になったり10分間隔になったりとするのですが、
そのうち気がつけば5分間隔に。

もうその頃は痛さで「ううっ」しか言えなくなってました。
主人がじゃあそろそろ行こうか♪って入院用の荷物を持ち、
私は痛みが無い時を狙って車に乗り込みました。

家から車で約10分ぐらいのところに病院があります。
前にライウを産んだ病院は絶対嫌だったので
もし前回と同じ病院だったらSan Juanの病院に駆け込もうって思ってたのですが、
私の主治医が病院を変えたみたいで
今回は別の大きな病院に行ける事になりました。

主人は書類の記入があるので受付に行き、
私だけ先に入って先生が来るのを待ちました。

でも私の主治医となかなか連絡が取れないみたいで
他の先生が先に診察してくれたのですが
その先生は英語があまり得意じゃないので何を言ってるのか理解できません。

結局どうなってるのか分からないまま診察が終わって再び車椅子に乗せられ、
今陣痛室が混んでるので空くまで待ってといわれ
しばらくボーっと車椅子の上で待たされました。

そして 主人も書類記入を終えてやってきてくれたのですが、
まだ30分ぐらいそこで待たされてやっと陣痛室に行くことができました。

ここも前の病院と同じく 主人は中に入ることができません。
でも私がスペイン語が話せないので看護婦さんと私の通訳にと
特別に何度も中に入れてもらうことができました。

そしてやっと私の主治医が到着しました。(遅いねん)
診察の結果すでに子宮口7cm開いてます。

やったぁ〜!後3cmなのねぇ〜〜♪って思ったら
「これから麻酔を打つそうだから」って言います。
私「へっ?無痛分娩するの?」
「違うよ。前回ライウを産んだときの傷口がいきんだ時に開いたら怖いからって、
今回も帝王切開になったんだよ。すぐに手術室に移動らしい。」
私「ええええええっ!何で?普通分娩で産みたかったよ。何のためにこの痛さを今まで耐えてきたのよ!
それならさっさと早めに病院に来たらよかったやん!」
「Sorry♪」
私「....。」

ということでそのまま手術室に運ばれました。
前回のライウのときの麻酔が最悪だったのでダーリンがその件をドクターに説明したら
この病院は普通の麻酔で使う針よりも細いのを使うので
痛さはそんなに感じませんと言われました。

その件も覚えてたのですがそれよりもこの陣痛の痛さをさっさと取ってくれ〜!
って思ってる間にさっさと打たれ陣痛の痛さから開放されました。
(もう二度と味わいたくないわ!)

そしてあっという間にお腹を切られて
11月2日 午前0時39分 我が家に新しい家族 雪が生まれました。

今回も前回と同じく雪をちらっと見せてくれて彼女の頭にキスをした後
雪はすぐに別室に連れて行かれました。


主人はその間待合室にいて雪が運ばれていくときの写真を撮ったのですが、
それも看護婦さんの反対を押し切って無理矢理撮ったそう。
主人も抱っこもできずにさっさと連れてかれたそうです。
私の病室は2人部屋のドア側でした。
でももう一つのベッドは空っぽで私一人だけ。

この病院は夜は男性の付き添いはできないので
仕方なく主人は帰宅しました。
主人が帰った後に痛み止めが切れてきたのか、
お腹がすっごく痛くなってきて我慢できずにナースコールのボタンを押しました。

前回の病院ともちろん同じくスペイン語で返事が返ってきます。
だから英語で「すごく痛いです。」と言ったら、
スペイン語で何か返事が返ってきてました。
でも分からないのでしばらく待ってたのですがいくら待っても誰も来ません。

だからまたボタンを押して痛いって言うのですが、
今度は返事も返ってきません。
もう何百回とボタンを押し続けながら、
痛い痛い助けてくれ〜〜を連発しかれこれ1時間ぐらい後
(時計を持ってなかったので定かではないですが)
ようやく看護婦が来てくれて痛み止めと睡眠の注射を打ってくれました。

翌日の朝主人が来て昨夜のことと、
今もむちゃくちゃ痛いってことを話したら、
主人は直接ナースステーションに文句を言いに行きました。
それなのにその後ナースコールをしても30分ぐらいしてからじゃないと来てくれません。

そして2人組の看護婦が私のシャワーの手伝いに来てくれました。
主人がその人達にお腹がかなり痛いみたいなんだって言ったら、
お腹をマッサージして要らない血を出したら痛さが和らぐわよ。
って私のお腹をマッサージしだすのです。

それが今までに味わったことの無い痛さで
日本語で「痛い!!!!!」って涙まで流して叫んでしまいました。
それには看護婦もびっくりしてすぐに手を離してくれたのですが、
自分でするから触らないで〜〜!といいしばらくベッドで苦しんでました。

そしてシャワーの後歩いたほうが回復は早いわよ。と言います。
もちろんむちゃくちゃ痛いしベッドから起き上がるのもなかなかなのに。
廊下を無理矢理歩かされました。

このついでに雪を見に行こう!って言ったら、
「この病院も日に2回しか雪に会えないんだ。それも窓越しにしか。」
私「へっ?じゃあミルクをあげるのはどうするの?」
「それも決まった時間だけ母親しか中に入ることができないんだよ。」
私「じゃああんたは雪を退院まで抱っこすることもできないの?」
「うん。でも今回は3日で退院できるから我慢するさ。」
私「ええっ?何で?自分の子供に自由に会うことできないのよ。おかしすぎる!」
「前からこの島って言うかこの街はおかしいって言ってるだろう。」
私「...。」

この病院は昼の1時半と夜の7時半の2回だけ赤ちゃんに会えることができます。
まずドアのところに警備員がいるのでドアの向こうに入る許可をもらったら
名前とサインをさせられ新生児室のドアの横に窓ガラスがあるので
そこに看護婦さんが赤ちゃんを抱っこして窓越しに数十秒間だけ見せてくれるんです。

出産した日の昼過ぎにお義母さんとライウがお見舞いに来てくれたのですが、
この病院は前回の病院よりももっと最悪なことに
12歳以下の子供は病室に入ることができないと言われ、
一階のロビーのところからライウは病室に上がることができません。

もちろん私が階下に会いに行くのも許可されてないので
結局退院するまでライウにも会うことができなかったんです。

そして私の病室のもう一つの空きベッドに何人か入院するものの
半日で退院とかで人が入れ替わり落ち着かないまま退院の前の日の夜を迎えました。
その晩手術を終えたばっかりのお婆さんが同室に入院してきました。

その人には付き添いの家族が泊まってるのですが、
深夜12時を過ぎても電気をつけたり話し声が大きかったり
なかなか私は寝ることができません。

そのうちそのお婆さんが「大」をしたみたいで部屋中にすごい臭いが広がります。
私はその臭いから逃れるためにベッドから起きて逃げようとするのですが、
お腹の痛さで起き上がるのにも時間がかかる上、
深夜2時半過ぎです。何処に行ったらいいのか分かりません。
仕方なく毛布を鼻に押し付け臭いが無くなるまで我慢しました。

そして退院の朝主人は雪に会うために
きれいに髪の毛もカットし、ひげもきれいに剃り
雪の退院のドレスを持ってルンルン♪♪で病室にやってきました。

涙ながらに昨夜の臭い事件を話したら、
その話をしてる最中にまた隣のお婆さんが大をしたみたいで部屋中に臭いが...。

今度は主人がいるので急いで起き上がらせてもらい
退院の許可が出るまで待合室で座る羽目に。

そしてやっとのんびり屋の私の主治医が到着。
退院のサインをもらい荷物を持って雪を迎えに行くことができました。
朝9時過ぎにはもう退院の準備をしてたのに、
主治医の到着が遅かったのと書類関係で結局私が退院できたのはお昼の1時過ぎ。
それから雪を迎えに行って今度は雪の退院の書類関係を待って
結局私たちが病院を出れたのは3時前でした。
前回と違って今回は3泊だけだったから我慢できたものの。
ほんと今回もいろいろ大変だったです。